|
サヴィニ・レ・ボーヌ[2017](赤) シモン・ビーズ
酸とミネラルを基調としたエレガントなワインへのこだわり
サヴィニー・レ・ボーヌという比較的マイナーなアペラシオンにあって、驚くほど緻密で繊細なワインを生み出す ドメーヌ・シモン・ビーズ。ドメーヌのの創設は1880年。 初代シモン・ビーズがわずかばかりのブドウ畑を耕作して始めた。1950年に孫の3代目シモンがドメーヌを継 承すると、ブドウ栽培のみならず、醸造家としての才能にも恵まれた彼は、戦後の経済復興もままならぬ中 でドメーヌ元詰めを決意。 ドメーヌ・シモン・ビーズのワインは高く評価され、レストランのシェフやソムリエ、さらにワイン愛好家の間で広ま っていったという。 そして1972年にドメーヌを引き継いだのが、3代目シモンの息子、パトリックである。彼はドメーヌの名声を さらに高めると同時に、ブドウ畑を大きく拡張。1995年にラトリシエール・シャンベルタン、1997年にコルトン ・シャルルマーニュと、赤白ふたつのグラン・クリュを手に入れることに成功し、ドメーヌの総面積は22ヘクター ルに達した。 そして1998年、パトリックは日本人女性の千砂さんと結婚。長男ユーゴ、長女ナスカというふたりの子ど もにも恵まれたものの、2013年10月、61歳の若さで他界した。以後、ドメーヌの舵取りは千砂さんと、 パトリックの妹で、ヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・ジャン・グリヴォに嫁いだマリエルに委ねられている。 ドメーヌでは2008年から、千砂さんの進言によりビオディナミ農法を採用。子育ての過程でシュタイナー 教育に興味をもった千砂さんが、シュタイナーの理論が農業とも結びついていることを知り、アンヌ・クロ ード・ルフレーヴによるビオディナミの勉強会に出席したのがきっかけ。 パトリックに相談すると、「セルパンティエールなら試してもいい」と言われたという。当時、セルパンティエ ールの畑はウィルスに冒されており、引き抜くしかなかったが、ビオディナミを実践すると畑の様子が徐々 に変わってきた。ワインの質は始めてすぐに変わったという。「2008年からワインにヴァーティカルなラインが 出て、緊張感のあるワインになった」と千砂さん。 ワイン造りは今も昔も変わらない。白ワインは収穫後、ブドウをただちに圧搾し、12時間のデブルバージ ュ。小樽に移して発酵。クリマに応じて6∼12ヶ月の樽熟成を行う。新樽率は15∼30%と比較的少な めで、古い樽は5年ものまで使用する。 シモン・ビーズのワインの特徴は”端正”のひと言。白はきれいな酸味が基調でミネラルに富み、赤はしな やかながらストラクチャーはしっかりしてる。いわゆる過剰なところがないのがこのドメーヌの特徴であり、料 理と合わせるとじつにおいしく、その値ごろ感からもレストラン向けのワインといえるだろう。 ------------------------------- 「サヴィニ・レ・ボーヌ・オー・グラン・リアール」は、面積1.6ha、 石灰岩と赤い小石混じりの粘土からなる土壌の畑です。 この区画のブドウは1939年、1950年、1979年と、ドメーヌ三世代にわたって 植えられてきたという特徴があり、最も古いブドウの一部は2019年に 植え替えられたのだとか。 男性的なサヴィニ・レ・ボーヌで、美しいタンニンのストラクチャー、 素晴らしいバランス感を持ち合わせており、熟成のポテンシャルも十分とのこと。 「サヴィニ・レ・ボーヌのワインの完璧な見本」とドメーヌも胸を張る一本
![]()
|
カラーミーショップ Copyright (C) 2005-2025 GMOペパボ株式会社 All Rights Reserved.
|