「アントワンヌ・リエナルト」は、コート・ド・ニュイ最南端にあるコンブランシアン村で
三代続いたドメーヌ「グイヨ・リエナルト」の当主モーリス氏が2011年に引退したこ
とに伴って、アルザス出身の甥、アントワンヌ氏が引継いで再出発したドメーヌ。

シャンボール・ミュジニーのアミオ・セルヴェルをはじめとし、シャブリやニュイ・サン・ジョ
ルジュ、また南アフリカでワイン造りの経験を積んだアントワンヌ氏は、2011年当初
は妻でありドメーヌ・ジョブロ出身のジュリエット氏と現代的なブルゴーニュワインを造
っていたそうですが、段々とワイン造りに対する考え方に開きが出て来たことでパート
ナー解消の道を選ぶことになりました。

そしてこの離婚を機に、アントワンヌ氏は2.4haの所有畑を全てビオディナミに転向し、
理想である叔父のワインに並ぶべく、醸造もモーリス氏の時代のシンプルなものに戻
していくったのだそうです。

ビオディナミは2015年から本格的に導入されましたが、これと同時に耕作もトラクター
から馬によるものに切り替えたのだそう。畑では一切の化学薬品が禁止され、病害虫
対策はビオディナミ調剤のみで行われるているとのこと。

また、2018年ヴィンテージからは全てのワインがエコセール認証を取得したそうです。

現在では畑も4haまで増え醸造所も改築され、妹のエロイーズ氏と共に総勢五名で
畑作業から醸造、販売まで行っているとのこと。

※今回ご紹介する「コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ・オー・ヴィニョット」は、
　プレモー村の南東向き斜面に植えられた樹齢40年前後のピノ・ノワールから成る作品。