「クロ・ミミ」は、1996年にカリフォルニアのパソ・ロブレスで設立されたワイナリー。

　創業者の一人、ティム・スピア氏はロサンゼルスで生まれ育ち、
　カリフォルニア大学デービス校でワイン醸造学とブドウ栽培学を修めました。
　卒業後はマム・ナパやタブラス・クリーク・ヴィンヤード、シルヴァラード・ヴィンヤーズなどの
　カリフォルニアのワイナリーで見習いとして働き、25歳の時に名門のジャスティン・ヴィン
　ヤードのヘッドワインメーカーに就任したそうです。

　そしてワイン造りの経験をさらに重ね、満を持して自らのワイナリー「クロ・ミミ」を
　立ち上げたわけですが、ティム氏はブドウ栽培からワイン醸造、瓶詰め、出荷はもちろん
　ワインのブランディング、ラベルやボトルのデザイン、WEBサイト運営、
　ワインテイスティングのホストなど、あらゆる業務に邁進していた辣腕経営者でした。

　ロバート・パーカー氏も、ティム氏を「カリフォルニアで最もスペシャルな生産者の一人」と
　評していたそうで、クロ・ミミのワインについても「フルスロットル」「非常に質感が高い」
　「革命的」「驚異的」と賞賛していたという話です。

　さて、そんな凄腕のティム氏ですが、「クロ・ミミ」で国際的な成功を収めた後の2014年に
　生まれ故郷のロサンゼルスに戻り、なんと今度は不動産業界でのキャリアを追求するべく
　ビバリーヒルズのハイクラス不動産会社「ロデオ・リアルティ」に入社したのだそうです。

　今や、ロサンゼルスの超高級住宅地であるベルエアの不動産を販売することに
　情熱を注いでいるというティム氏ですが、ワインビジネスでの23年に渡る経験や人脈を生かし、
　ロスでワールドクラスの高級ボルドーやナパワイン販売を手掛ける
　数少ない不動産業者の一人として知られているとも言います。
　ティム氏の鮮やかな転身ぶりには驚くばかりですが、ひとまず今回ご紹介いたしますのは、
　ミレニアムでロスも沸き立ったであろう2000年の「シラー・バニー・スロープ・ヴィンヤード」。

　パーカーポイントは92点！
　「甘いクレーム・ド・カシスやブラックベリーの香りが、スモークや樟脳、
　　ローストしたスパイスを伴って表れてくるワインは、良好な果実の濃縮感があり、
　　素直で風味豊かなフルーツのフレーバー、そして豪奢なフィニッシュを誇るものだ」
　
　熟成したカリフォルニア・シラーの華麗なる姿を拝むには、もってこいの一本です！